
ベトナムでは塩は調理の他に食卓へもよく登場する調味料です。
食卓では塩を単品で使うことはなく、塩胡椒や塩唐辛子などのように必ず他のものと混ぜて使います。
塩胡椒にライムを絞ったもので蒸エビなどを食べると最高に美味いです!
エビの自然な甘味を十分に引き出してくれます。
新鮮な食材にベトナムの塩は最高のコンビネーションと言えるでしょう。
ベトナムの塩は入浜塩田製塩という塩田で作られた天日塩が主流です。
ニガリも程よく含まれていてバランスの良い塩が生産されています。
そのため旨味があり周辺諸国からも注目を浴びています。
韓国もベトナムから大量に塩を輸入していますが、殆どがキムチなどの漬物用として使われているようです。
美味いキムチを作るにはやはり塩田の塩が良いようで、中国の安い岩塩からベトナムの上質な天日塩に変わりつつあるのだそうです。
韓国人のキムチへの拘りは凄いものがありますから、やはりその辺は納得できますね!
処でベトナム国内で近年 最も市販されているのが MUOI IOT(ムーイ イオット)です。
MUOIは塩、IOT はヨード(沃素)のことで、身体や脳の発達に欠かせない微量要素の一つですが、ヨードを多く含んでいる海草を食べる習慣の少ないベトナム人には不足気味なのだそうで、ベトナム政府も奨励している塩です。
特に山岳地帯の子供や女性達はヨード欠乏症になりやすく、効率よく摂取するには塩に混ぜるのがコストも安く尚且つ安全に継続することができるようです。
MUOI IOT は要するにヨード添加塩のことですが、ヨーロッパ等では当り前に使われているようです。
日本は海に囲まれ海草や回遊魚などをよく食べているので敢えて添加する必要もなく、逆に食品への添加は禁止されています。
日本ではヨード卵光などがヨード食品として有名ですが、卵の場合は鶏の餌に添加されているため食品添加物としては問題にはならないようです。
ベトナムにおいても本当にヨード添加塩が必要かについては私的考察ですが、ベトナム人は料理にヌクマムを多く使うのでそれほど深刻なヨード欠乏症にはならないのではないかと思っているのですが…
強いて言うなら山岳地帯の少数民族のヨード欠乏症のが問題でしょう!
しかし、山岳地帯の貧困者がヨード添加塩を買うとは思えません。
普通の塩と数円の値段差しかないのですが、貧困者は安い塩を選ぶのはほぼ間違いないと思います。
そこでちょっとした矛盾が起っているような気がします。
都会のヨードを十分に摂取している人達がヨード添加塩を使い、本当に必要としている人達には届いていないのではないかということです。
この辺は未調査なので強くは言えませんが、政府が何らかの策をたてる必要があるのではと思います。
後、ヨード添加塩に関してはラオスやミャンマーなどの周辺諸国への輸出に期待が持てます。
それこそラオスやミャンマーに取っては不可欠なヨード添加塩ではないかと思います。
本日は日本では馴染みのないヨード添加塩について少し話しましたが、また今度の機会に塩田塩についてもっと詳しく話してみたいと思ってます。
ベトナムの高級塩田塩